歴史を感じる町

【完全保存版】桐生織物の魅力を徹底解説!1300年の歴史と7つの伝統技法から体験観光まで

皆さん、こんにちは!桐生の魅力を伝える「行ってみよう桐生」編集部です。今回は、桐生が誇る日本の宝物「桐生織物」について、どこよりも詳しく、そして分かりやすくお話しします。

桐生織物の壮大な歴史~1300年の物語

桐生織物は1300年の歴史を持ち、日本を代表する伝統的工芸品として知られています。その始まりは、実は美しい恋の物語から生まれました。

白瀧姫伝説~桐生織物の始まり

現在の桐生市川内町のことを、上野国山田郡仁田山郷と呼んでいた頃のことです。宮仕えに出されていた山田郡の男が、官女の白瀧姫に懸想していました。募る思いを託して贈った和歌は姫の心を動かし、彼は故郷の仁田山郷へ姫を連れ帰りました。それから白瀧姫は里人に養蚕、機織を伝えたとされています。

この美しい伝説こそが、桐生織物の起源とされる物語なのです。恋する男性の真っ直ぐな想いと、それに応えた白瀧姫の愛が、桐生の地に織物技術をもたらしたのです。

歴史に名を刻む桐生織物

桐生織物の歴史は、日本史の重要な場面にたびたび登場します。鎌倉時代の元弘3年(1333年)、新田義貞は鎌倉攻めにおいて、仁田山紬を旗印に用いました。また、慶長5年(1600年)、徳川家康が小山にいた軍を急に関ヶ原へ返すとき、急使を送って旗絹を求めたが、わずか1日ほどで2千4百10疋を天神社の境内に集めて納めたという逸話も残っています。

桐生織物の7つの伝統技法~職人の技が織りなす美の世界

桐生織の「織り方」には7つの技法があって、いろいろな種類の織物がつくられます。これらの技法は、1977年(昭和52年)に伝統的工芸品として認められました。

1. お召織り(おめしおり)

徳川将軍が愛用したことから「お召し」と呼ばれるようになった最高級の絹織物です。縮緬のような独特のシボ(凹凸)が特徴で、光沢と風合いが絶妙です。

2. 緯錦織り(よこにしきおり)

色とりどりの緯糸(よこいと)を使って文様を織り出す技法です。まるで絵画のような美しい模様が表現できます。

3. 経錦織り(たてにしきおり)

経糸(たていと)で文様を表現する技法で、縦縞や格子模様が美しく表現されます。

4. 風通織り(ふうつうおり)

表と裏で色が異なる二重織りの技法です。風が通るように軽やかな仕上がりが特徴です。

5. 浮経織り(うきたており)

経糸を浮かせて立体的な文様を作る技法で、触感も美しい織物です。

6. 経絣紋織り(たてかすりもんおり)

経糸に絣を施して織り上げる技法で、独特の味わいのある文様が生まれます。

7. 綟り織り(もじりおり)

糸を捻りながら織る技法で、透け感のある美しい織物が作られます。

現代に生きる桐生織物の職人たち

創業より約115年、上毛かるたに「桐生は日本の機(はた)どころ」とも読まれる、桐生の織物産業を支えてまいりましたという泉織物有限会社のような老舗が、伝統と流行を掛け合わせた創作活動を続けています。

現在でも、桐生は企画から製品化までのデザイン、撚糸、染め、織、編み、刺繍、縫製など、多くの工程の技術が集積した繊維産地として機能しています。

のこぎり屋根工場群~産業遺産の美しい風景

桐生の街を歩いていると、特徴的な三角屋根が連なる建物群に出会います。これが「のこぎり屋根工場」です。これは、イギリスを起源としたもので、大空間を確保しながら安定した自然採光(北側のガラス天窓)を得ることができ、増築が容易な合理的な構造形式なのです。

のこぎり屋根工場の現状と課題

桐生では最盛期には約350棟のノコギリ屋根工場があったといわれていますが、現在3分の1が解体され消えてしまいました。しかし、桐生市では地域全体で工場群の調査保全、観光利用が行われているなど、保存と活用の取り組みが進んでいます。

新しい命を吹き込まれた工場たち

現在、多くののこぎり屋根工場が新たな用途で生まれ変わっています。ベーカリーカフェレンガ(旧金谷レース工業株式会社鋸屋根工場)は、煉瓦造の建物がベーカリーカフェにリノベされている代表例です。

桐生織物記念館~歴史と文化の発信地

昭和9年に建てられた桐生織物会館は、当時流行していたスクラッチタイル張りの外壁を取り入れ、屋根は青緑色の日本瓦葺としたモダンなもので、現在は桐生織物記念館として活用されています。

記念館の見どころ

1階販売場では、桐生織の小物類、贈答品、和装品、各種端切れ、婦人服地などを販売しています。資料展示室では、かつて桐生で使われていた貴重な織機をはじめ、さまざまな資料や製品を展示しており、桐生織物の魅力を余すところなく伝えています。

体験観光~自分だけの桐生織物を作ろう

桐生では、実際に織物作りを体験できる施設が充実しています。桐生織物記念館では、Hands-on weaving workshops are held here(実際に織物を体験できるワークショップが開催されています)。

織物参考館<紫>での本格体験

経糸には、絹糸または、天然繊維を使います。桐生地域の伝統的な織物は、先染め織物なので染色された緯糸を用意しております。一回の体験教室にて、50センチ以上の長さのテーブルセンターを織って頂きます。

体験料金も明確で、テーブルセンター:4,320円、コースター(2枚セット):2,160円など、様々なレベルの体験が可能です。

初心者でも安心の指導体制

桐生市の伝統の織物体験!講師が指導いたしますので、初心者の方も安心して参加してください。体験を通じて、1300年の歴史を持つ桐生織物の技術を肌で感じることができます。

桐生織物の現代的な魅力

伝統と革新の融合

古典から『不思議の国のアリス』の着物まで、刻々と変化している時代のニーズを取り入れてゆくなど、現代の桐生織物は伝統を大切にしながらも、新しい発想を取り入れています。

地域団体商標としての価値

2008年(平成20年)2月1日に桐生織物協同組合の「桐生織」が地域団体商標に登録されたことで、桐生織物のブランド価値はより一層高まりました。

桐生織物を支える人々

伝統工芸士の活動

優れた技術者には伝統工芸士の称号をおくり、さらに技術をみがき、これを後継者に伝えることをお願いしております。桐生の伝統工芸士は桐生織伝統工芸士会を結成して、技術の向上、後継者の研修指導や会員の交流研修などを行なっております。

地域ぐるみの取り組み

「わがまち風景賞」が平成13年(2001)に創設され、現在約50棟が選定されています。民間主導のこの事業は、市民の中に桐生を愛し現状に対する危機意識をもつ人々が多いことを示しています。

桐生織物の未来への挑戦

新しい活用方法の模索

ノコギリ屋根工場の特徴である広い空間と天窓から入ってくる安定した光は、芸術家のアトリエとしての活用に適しています。このように、伝統的な建物が新しい用途で活用される例が増えています。

観光資源としての価値

桐生市内には多数のノコギリ屋根工場が存在し、貴重な産業遺産として評価されるとともに、観光資源としても期待されています。

桐生織物を深く知るための訪問スポット

桐生織物記念館(必見!)

1934(昭和9)年10月に建てられた趣ある建物で登録有形文化財。2階は無料の資料展示室で、1階には織物販売場があります。

織物参考館<紫>

実際の織物体験ができる貴重な施設で、手織り織機を数台用意しています。

のこぎり屋根工場群

街全体に点在する産業遺産で、多くがカフェやギャラリーとして生まれ変わっています。

桐生織物の技術的な特徴

製造工程の複雑さ

桐生織物の製造には、企画・デザイン、糸の準備、染色、織り、仕上げという多くの工程が必要です。それぞれの工程に熟練した職人の技術が必要で、一つの作品を完成させるまでには長い時間と多くの人の手が必要です。

品質へのこだわり

絹の着物にこだわり、伝統を守り「桐生織」(国指定 伝統的工芸品)や「桐生絞」(群馬県指定 ふるさと伝統工芸品)の紋織物や紬の着物や帯を創作しております。

桐生織物体験の魅力

手織り体験の価値

実際に手で織物を作る体験は、機械では得られない特別な感動があります。一本一本の糸が織りなす美しい模様、手に伝わる糸の感触、そして完成した時の達成感は、まさに特別な体験です。

歴史との対話

織物の機器を実際に触って体験もできます。1300年の歴史を持つ桐生織物の技術を、実際に自分の手で体験することで、先人たちの知恵と技術を肌で感じることができます。

桐生織物が現代に伝えるメッセージ

伝統技術の継承

現代の大量生産時代にあって、桐生織物は手作りの価値、職人の技の大切さを伝えています。一つ一つ丁寧に作られる織物は、作り手の心が込められた特別な存在です。

地域文化の誇り

群馬の上毛かるたでも『桐生は日本の機(はた)どころ』という札があるほど、桐生織物は地域の誇りとして愛され続けています。

訪れる人へのアドバイス

効率的な見学方法

桐生織物を深く知るためには、まず桐生織物記念館で基礎知識を得て、その後実際の体験施設を訪れることをお勧めします。桐生で織物について観光するならまずこちらで学ぶのがオススメです。

体験予約の重要性

手織り織機に空きが無い場合がありますので、必ず、事前にお問い合わせ下さい。人気の体験は予約が必要なことが多いので、計画的な訪問が大切です。

まとめ~桐生織物の永続的な魅力

桐生織物は、単なる伝統工芸品を超えた存在です。1300年の歴史、7つの伝統技法、のこぎり屋根工場群、そして現代の体験観光まで、桐生には織物を通じた豊かな文化があります。

白瀧姫の恋の物語から始まった桐生織物は、時代を超えて多くの人々に愛され、技術を継承してきました。現代においても、その美しさと技術的な高さは変わることなく、新しい形で私たちの生活に彩りを添えています。

ぜひ一度、桐生の地を訪れて、実際に織物に触れ、その歴史を感じ、職人の技を体験してみてください。きっと、織物の奥深さと桐生の魅力を発見できるはずです。

桐生織物は、過去から現在、そして未来へと続く、日本の宝物なのです。皆さんも、この美しい伝統の一部になってみませんか?

「行ってみよう桐生」では、これからも桐生の魅力を発信し続けます。桐生織物の世界で、きっと新しい発見があなたを待っています!



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